ハルディン
   
   
第11回 ハットフィールド ハウス Hatfield House
 
アクセス
ロンドンからA1で北へ、 約20マイル 4番出口。A1から標識あり
 
 
エリザベス一世時代の17世紀初頭、当時の首相を務めていた初代ソールズベリー侯爵が建てたジャコビアン様式の館。ここは園芸史においても重要な舞台になった場所です。初代の館主は非常に園芸好きで、プラントハンターの祖といわれているトラディスカント父子のパトロンとなり、彼ら をヨーロッパ大陸に送り出し、多くの植物を収集した場所でもあります。今の庭園は現ソールズベリー公爵夫人の希望で1972年に修復工事が始まりました。

庭園は東庭園と西庭園に分かれ、東庭園はプライベートな庭園で月曜日しか公開されません。私には未だ秘密の花園です。館に絡まるバラが壮大でした。
 
15世紀に建てられたオールドパレス。エリザベス一世が幼児期を過ごしました。館の前にはノットガーデンがあります。これは現夫人のデザイン、17〜18世紀の植物が植えられています。入ることはできませんがプリヴィーガーデンにつながる橋からの撮影です。  
 
  セッティッドガーデンは風が通るだけで、葉が体に触れるだけで、香りが立ちます。白いサンダイアルを中心にして庭は四方に広がっています。手前の紫はラベンダー、スタンダードはハニーサックル、銀葉の大きく成長したアーティーチョーク、ハーブ類もたくさんありました。
 
 

   
セッティッドガーデンの隅にあった
スイートピーにはおしゃれな支柱が立てられ、足下には可愛いヴィオラが咲いていました。季時は7月初め、気候の違いを実感します。 ビオラの品種は上から
 Viola columbine
 Viola butter pat
 Viola Fabiola
ラベルがきちんと付けられていました。
 
   
  プリヴィーガーデンはイチイの生け垣に囲まれていました。中央に池を配し華やかな色の洪水です。紅色はペンステモン、手前はエリゲロン、後ろの紫はクラリーセージ、右側の黄色はリシマキア'アレキサンダー'。とってもラブリーな庭です。
   
 
 
  館も公開され、美術品や贅沢な調度品を見ることができ、歴史の好きな方には見逃せない場所です。

ふと窓の外に目を向けると広大な領地が広がり、17世紀に引き戻されたような気になります。整然と並ぶゲート前のトピアリーが更に静寂さを感じさせました。